令和5年度 ニューハート・ワタナベ国際 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - - 14 28 127 280 401 510 328 44
【定義】
集計期間(令和5年4月1日~令和6年3月31日)に退院した患者さまの年齢階級別(10歳刻み)の患者数を集計しています。
医科保険適用のみ対象となっております。

【解説】
当院は、循環器領域をメインとし、弁膜症のロボット手術や心房細動のウルフ・オオツカ法、狭心症のカテーテル治療などを行っております。
年齢階級別として、最も多かったのは70歳代の患者さまでした。
昨今の高齢化により、60歳以上の方が半数以上を占めております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術等 処置2なし 272 3.64 4.57 0 65.2
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈ステント留置術等 処置1なし 処置2なし 195 2.89 4.26 0 70.6
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査等 処置2なし 転院以外 163 2.19 3.05 0 72.4
050080xx99100x 弁膜症(連合弁膜症を含む) 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査等 処置2なし 副傷病なし 34 5.61 5.32 0 78.1
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 29 6.10 9.77 0 78.2
【定義】
診療科別に、患者数の多い診断群分類(DPCコード)の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を集計しています。
また、集計時に10件を超えない診療科に関しては記載を省略しております。

【解説】
循環器内科は、高血圧などの生活習慣病から狭心症や不整脈のカテーテル治療まで循環器に関する内科的部分を総合的に診療しております。
循環器内科で診察後、外科的治療の必要性がある患者さまは心臓血管外科へ院内紹介をし、シームレスに治療が出来るように努めております。
循環器内科での実績は、心房細動などの頻脈性不整脈のカテーテル治療が最も多く、次いで狭心症のカテーテル治療、カテーテル検査のみの入院となっております。
僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症は検査を循環器内科で行った後、心臓血管外科へ院内紹介するという流れが多くありました。
洞不全症候群などの徐脈性不整脈では、ペースメーカー移植術を実施しております。
不整脈治療および狭心症治療では全国よりも在院日数が少なくなっており、患者さまへなるべく負担がかからないように努めております。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0111xx 弁膜症(連合弁膜症を含む) 弁置換術等 心臓カテーテル法による諸検査等 中心静脈注射等 425 16.2 33.7 2.3 62.0
050070xx9701xx 頻脈性不整脈 その他手術あり 処置1なし 中心静脈注射等 126 11.2 23.8 0 67.6
050080xx99100x 弁膜症(連合弁膜症を含む) 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査等 処置2なし 副傷病なし 47 4.91 5.32 4.2 61.3
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 冠動脈、大動脈バイパス移植術等 心臓カテーテル法による諸検査等 中心静脈注射等 45 18.4 26.6 2.2 67.3
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他手術あり 中心静脈注射等 36 22.7 28.0 5.5 72.4
【解説】
当院のメイン診療科である心臓血管外科では、弁膜症治療が最も多く、次いでウルフ・オオツカ法による心房細動の治療、弁膜症の検査入院、狭心症のバイパス手術入院、大動脈解離の手術入院というランキングとなりました。
1位の弁膜症では、全国の平均在院日数が約33日というところを、当院ではほぼ半分の約16日となっております。弁膜症の治療ではロボット手術支援システムであるdAvinci(ダヴィンチ)を使用することが最も多く、もし適応でなかった場合でも、胸腔鏡を使用し、従来の正中切開よりも傷が目立たない治療を心がけております。
2位の頻脈性不整脈においては、ウルフ・オオツカ法にて心房細動に対して低侵襲治療(体への負担が少ない)を行っております。ウルフ・オオツカ法では従来の心臓手術とは違い、人工心肺などの大掛かりな装置を使用することなく、心臓も止めず、大きな切開も必要とせずに治療を行えます。ごく小さな切開で手術ができるため、高齢の方や体力が弱い方でも治療が行える場合が多いです。
4位の狭心症のバイパス手術入院では、人工心肺を使用しない手術、オフポンプ手術などを行っております。心臓を止めずに手術するため、患者さまの体にかかる負担は少なくて済む上、治療費としてのコストも人工心肺を使用するよりも軽くなります。
5位の大動脈解離の手術入院では、緊急入院で入院される方が非常に多いです。緊急で入院後、即座に手術を実施しております。
ランキングすべてにおいて、全国の平均在院日数よりも当院の在院日数は少なくなっており、比較的早期に退院をできるように努めております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - -
大腸癌 - - - - - - - -
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - - -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、ほとんどがんの治療を行っておりません。
一部、肺がんに対してのみ治療を実施しておりますが、件数が10件未満のため集計を割愛しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎の治療においては、肺炎で入院される患者さまが10件未満であった為、割愛しております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
当院では基本脳梗塞の治療を実施しておりません。
手術の合併症として脳梗塞を発症するケースが稀にありますが、即座に転院の手筈をとり、他院にて治療を受けていただいております。
こちらも10件未満のため割愛しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 233 2.00 2.68 0 65.7
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 166 1.62 2.34 0 70.5
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 39 1.97 2.38 0 62.2
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 25 2.44 4.96 0 77.8
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 18 1.00 2.99 0 71.2
【定義】
・Kコードにより患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を集計をしております。
・入院中の主要な手術1つのみの集計のため、手術の実際の実施件数とは一致しません。
・術前日数、術後日数、転院率は、各手術の患者数の平均となっております。

【解説】
循環器内科では、4位のペースメーカー移植術以外、カテーテル治療となっております。
1位と3位は、心房細動を起こす、心臓の筋肉に対するカテーテル治療となっております。
2位と5位は、狭心症に対してステント(血管を広げる医療機器)を血管内にカテーテルを使用して留置する治療となっております。
入院期間は平均して、2~5日となっており、入院日数としても治療費としても患者さまに負担が少ない治療を心がけております。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K554-21 胸腔鏡下弁形成術(1弁のもの)(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合) 190 4.12 10.2 1.05 58.3
K594-2 肺静脈隔離術 123 4.31 7.92 0 67.6
K554-22 胸腔鏡下弁形成術(2弁のもの)(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合) 93 5.08 12.1 3.22 63.5
K555-31 胸腔鏡下弁置換術(1弁のもの) 75 4.64 14.8 2.66 64.9
K555-32 胸腔鏡下弁置換術(2弁のもの) 23 4.26 15.7 4.34 66.6
【解説】
心臓血管外科では、弁膜症と同時に狭心症や不整脈の治療も実施しているため手術実績とは異なっております。
2位の心房細動に対する肺静脈隔離術(ウルフ・オオツカ法)以外弁膜症に対しての治療となっております。
胸腔鏡下弁形成術とは、患者さまのご自身の弁やその周囲の形を整え、弁の機能を回復させる手術です。手術適応としては心機能が良く、症状がある2度以上の逆流か、症状が無くても弁の逆流が3度であれば適応になります。最近は診断精度が上がり、成績の良い施設では、僧帽弁ではほぼ90パーセントの割合で弁形成ができる様になっています。弁置換術に比べ、弁形成術のほうが術後に感染症や血栓塞栓症の危険性が低く、手術からの回復も早いというメリットがあります。
弁置換術では、修復不可能な弁に対し、人工弁(機械・生体)に取り替える手術です。弁を切除して人工弁を植え付けます。確立された手術方法で比較的安全な手術です。
弁形成術と弁置換術、どちらの手術になるのかは、どの弁がどのように悪くなっているのかを確認して、医師が判断します。どちらの手術を行なうかは、術前の検査で必要な情報を得て判断することもできますが、最終的には、手術時に実際に弁を見て決定します。

2位の肺静脈隔離術では、心房細動に対して、ウルフ・オオツカ法を実施しております。
ウルフ・オオツカ法では、内視鏡手術で傷口の小さい手術で、人工心肺を使わず、短い手術時間で手術が終わらせることができ、術後は抗凝固薬を飲まずに生活が可能になります。
ウルフ―オオツカ法は、具体的には以下のような心房細動の方が適応になります。
・抗凝固治療を受けているが、出血・貧血などの副作用や高齢・認知症・腎機能障害などの医学的理由(あるいは社会的・経済的理由)により、有効な治療を安定して継続するのが難しい方
・QOLが損なわれている/我慢を強いられている方
・脳梗塞予防のための抗凝固治療を受けていて(あるいは近い将来必要で)、アブレーション治療の適応もある方

なるべく患者さまの傷が小さく、患者さまの負担が少ない治療をこれからも行っていく所存です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
すべてにおいて10件未満のため割愛しております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
14 654 46.7
当院においてリスクレベル「中」以上の手術は試験開胸術などになります。
しかし、実施件数が少なく、肺血栓塞栓症の予防対策の実施率としては46.7%となりました。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
223 208 93.2
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことが推奨されております。
また、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。
当院においては、血液培養2セット実施率に関しては93.8%とほぼ実施をしております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
846 218 25.7
近年、抗菌薬に耐性のある腸内細菌類など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、治療が難しくなる症例が増加していることが世界的な問題となっております。
不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められております。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
当院においては、抗菌薬が投与された患者さまに対し、検査を実施した患者さまの数が少なく3割を切る結果となってしまいました。
今後、抗菌薬適性使用に関して院内でさらなる取り組みを行っていく所存です。
更新履歴
2024.9.27
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