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甲状腺がんとは?症状・原因・治療(手術)方法

甲状腺腫瘍(がん)とはどんな病気?

甲状腺腫瘍とは、甲状腺ホルモンを分泌している甲状腺という臓器に腫瘍ができたもので、良性と悪性(すなわち、がん)があります。
甲状腺は、のどぼとけのすぐ下にあり、気管を前から取り囲んでいます。羽を広げた蝶のような形をした、10~20グラム程度の重さの小さな臓器です(図1)
本ページでは、甲状腺腫瘍(がん)の症状・原因・治療(手術)方法についてご紹介いたします。

図1

良性甲状腺腫瘍

良性甲状腺腫瘍には、腺腫と腺腫様甲状腺腫があります。
腺腫は、多くは甲状腺の左右どちらか一方にしこりができるものです。女性に多く、大きさはさまざまです。
腺腫様甲状腺腫では、左右の甲状腺に大小さまざまな大きさのしこりがいくつかできます。本来良性ですが、一部にがんが含まれていることがあります。
甲状腺の腫れとして見つかったり、超音波検査などで偶然見つかったりします。
甲状腺全体が腫れる「びまん性甲状腺腫」と、部分的にしこりのように腫れる「結節性甲状腺腫(結節とは「しこり」のこと)」がありますが、腫れやしこり以外には、何も自覚症状がないのが特徴です。
良性腫瘍であれば、原則として治療はせず、経過観察をしますが、腫瘍が大きくて外見上気になったり、圧迫症状が強かったり、悪性腫瘍の合併が疑われたりする場合などは、手術を検討します。検査や手術方法については、後述する悪性腫瘍の項をお読みください。

悪性甲状腺腫瘍(甲状腺がん)

日本内分泌学会によれば、触診による甲状腺腫瘍(良性・悪性)の発見率は約0.8~1.9%、超音波(エコー)検査での発見率は6.9%~31.6%、そのうち悪性の割合は男性で1.9%、女性で3.2%と報告されています。
甲状腺がんは、20~30代の女性がかかる主ながん種の一つで、若い女性に比較的多いがんです。
以下、甲状腺がんについて説明します。

甲状腺がんの種類

甲状腺がんには悪性度の低いものと高いものがございます。それぞれの悪性度に応じた甲状腺がんについてご紹介いたします。

悪性度が低いもの(甲状腺分化がん)

悪性度が低い甲状腺がんは以下の通りです。

乳頭がん

甲状腺がんの約90%を占める高分化がんです。しばしばリンパ節への転移が見られますが、きわめて進行が遅く、命にかかわることはほとんどなく、治療後の経過も良好です。ただし、ごく一部では、再発を繰り返したり、悪性度の高い未分化がんに変わったりすることがあります。

濾胞(ろほう)がん

乳頭がんに次いで多い、甲状腺がんの約5%を占める高分化がんです。乳頭がんに比べるとリンパ節への転移が少ない一方で、血液に乗って肺や骨などに転移しやすい傾向があります。こうした遠隔転移がない場合は、治療後の経過も比較的良好です。

低分化がん

甲状腺がんに占める比率は1%未満です。乳頭がんや濾胞がんのような高分化がんに比べると遠くの臓器に転移しやすく、高分子がんと共存したり、悪性度の高い未分化がんに進行したりすることがあります。

悪性度が高いもの

悪性度が高い甲状腺がんは以下の通りです。

髄様(ずいよう)がん

甲状腺がんの1~2%を占めます。傍濾胞(ぼうろほう)細胞(甲状腺の中にある細胞の一種)ががん化したもので、高分化がんよりも進行が速く、リンパ節や肺、肝臓などに転移しやすい傾向があります。遺伝性(家族性)の場合もあります。

未分化がん

甲状腺がんの1~2%を占めます。進行が速く、甲状腺の周囲の反回神経(発声にかかわる神経)や気管、食道などに浸潤したり、肺や骨などに転移したりしやすい、最も悪性度が高いものです。

悪性リンパ腫

甲状腺がんの1~5%を占めます。甲状腺全体が急速に腫れたり、嗄声(させい:かすれ声)や呼吸困難が起こったりします。橋本病(慢性甲状腺炎)と関連しているケースが多いといわれています。

原因

甲状腺がんのはっきりとした原因はわかっていませんが、若い頃(特に小児期)の放射線被曝(ひばく)は原因のひとつと考えられます。
髄様がんは、血縁者にかかった人がいると発生しやすくなると考えられています。

症状

がんの種類によって症状が異なりますが、全般に、しこり(結節)以外には自覚症状がみられないことがよくあります。
しかし、未分化がんや悪性リンパ腫では、声のかすれ(嗄声)や、しこりの部分の痛み(圧痛)が現われることがあります。
まれに、違和感、呼吸困難感、飲み込みにくさ、誤嚥、圧迫感、血痰などの症状が現われることもあります。
このような症状がみられる場合は、甲状腺がんの疑いがあるので、検査してもらいましょう。

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オンライン診療

診断・検査

甲状腺がんの診断・検査方法は次の4つがございます。

超音波(エコー)検査

人間の耳に聞こえない音波(超音波)で体の内部を探る検査で、甲状腺に腫瘍ができているかどうか診断します。悪性が疑われる場合は、精密検査として次の超音波ガイド下穿刺細胞診を行ないます。

超音波(エコー)ガイド下穿刺細胞診

超音波でがんの位置を確定しつつ、針を刺して細胞を取る検査で、甲状腺がんの病理診断を行ないます。ただし、腫瘍によっては、手術を行なわないと良性と悪性の区別がつかない場合があります。

CT検査/PET-CT検査

甲状腺がんの質的診断、病気の広がり(転移など)を診断します。

採血検査

甲状腺ホルモン値などを検査します。

治療・手術方法

甲状腺がんに対する治療は、手術が基本になります。

従来の手術方法

従来行なわれている甲状腺がんの手術では、首の前部を5〜10センチ横に切開(頸部横切開)し、さらに、甲状腺を露出させるべく皮下を大きく剥がす必要があります。
そうせざるを得ないのは、甲状腺が体に占める位置のせいです。甲状腺は、心臓や胃・腸のような体腔(体壁の内側にある内臓を納める空間)内にある臓器ではなく、周りにいろいろな組織が密集しているため、まずはその周囲の組織を排除して甲状腺に直接アプローチできるようにしなければなりません。さらに、甲状腺自体が血流に富む臓器であるうえに、頸動静脈・反回神経を代表とする重要な臓器が隣接しているので、しっかり目で確認しながら慎重に手技を進めなければなりません。こうした理由から手術に際しては頸部横切開をせざるを得ないのですが、この方法では患者さんの体に負担をかけ、特に女性には、首筋に傷跡を残してしまうという美容上の問題も生じています。

内視鏡手術

現在、外科手術は全般的に患者さんの負担を少なくする方向へ進んでおり、内視鏡手術の進歩はすべての領域で目覚ましい発展を遂げて、標準の手術方法として認められてきている領域も少なくありません。したがって打開する方法の一つは内視鏡を使った手術のはずですが、これまでの内視鏡下での甲状腺切除術には問題点があります。
内視鏡下での甲状腺切除術では一般的に、鎖骨の下を3~5センチ切開して手術器具を挿入し、他に5ミリほどの穴を開けて、そこから手術中の甲状腺をモニターするカメラを入れます。鎖骨の下の傷は衣服を着用すれば隠れるし、穴の傷も目立たないので、その点はいいのですが、問題は内視鏡自体の操作性です。手術領域が狭いうえに、鉗子(かんし)の挿入角度が限定されていて自由度が不十分であるため、甲状腺の周囲組織の剥離や、反回神経周囲の繊細な操作などが十分に行なえない可能性があります。特に、がんの手術におけるリンパ節の切除(郭清)において、十分な根治性が追求できない面があります。
このため甲状腺手術は、内視鏡手術の導入が遅れている領域の一つと言わざるを得ない状況にあります。しかし、この状況は、手術支援ロボットを使用する内視鏡下手術を行なえば打破できます。

手術支援ロボットによる内視鏡下手術とは

手術支援ロボット“ダビンチ(da Vinci Surgical System)”を用いた内視鏡下手術は、患者さんの脇の下を数カ所切開し、そこからロボット鉗子を挿入して手術操作を行ないます。そのため手術中の患者さんの体への負担は軽く、術中の出血も術後の痛みも少なく、また美容的にも優れています。

ダビンチは、いわば「内視鏡を高度にコンピュータ化したもの」といえます。通常の内視鏡を軽自動車に喩えると、ダビンチはF1マシーンといえるほど画期的な機械です。
構造は、手術を受ける患者さんが横たわる手術台と、それから3メートルほど離れたところにある、執刀医が座る遠隔操作台(コンソール)とに分かれています。手術台には4本のアーム(腕)があり、執刀医は操作台に座ってコントローラーでアームを遠隔操作します(図2)
ロボット鉗子は通常の内視鏡鉗子に手首の関節を加えた7自由度を有し,内視鏡は10倍以上の高解像度3次元画像を提供します。患者さんの体に小さな創を数カ所開け、そこにロボット鉗子を差し込み操縦台から遠隔操作します。操作台のコントローラーの動きはアームの動きに連動していて、コントローラーを大きく動かしてもアームは小さくしか動かないように設定できるので、細かな作業がとても楽にできます。手振れを自動的に補正してくれる機能があるので、執刀医が手振れに悩まされることもありません。
何よりの利点は、そのなめらかな操作性です。
このすぐれた操作性のおかげで、ダビンチ手術には以下のようなメリットがあります。

  • ・従来の手術に比べて身体的、精神的な負担が軽減される。
  • ・術中の出血が少ない。
  • ・術後の痛みが少ない。
  • ・早期の退院が可能。
  • ・操作性の故に導入が難しかった手術で内視鏡手術が可能となる。

図2-1

図2-2

身体に優しいロボット甲状腺手術

甲状腺手術にダビンチを用いる第一のメリットは、「傷を小さく」「首ではなく、わきの下から患部にアプローチ」することで、患者さんの身体への負担を大きく減らすことができることです。
患者さんのわきの下を数センチ皮膚切開し、そこから甲状腺に到達する手術法なので、従来の甲状腺手術と異なり、首には傷はなく、わきの下のみに傷があることになります。わきの下の傷は、手を下してしまえば外からは見えず、プールなどで水着姿になっても、ほとんど周りの人たちに気づかれません。甲状腺がんなどの甲状腺疾患はもともと女性に多い疾患なので、これは女性にとって朗報といえるでしょう。
前述したようにダビンチ手術のメリットは、通常の内視鏡手術に比べて、より繊細で高度な操作を行なえることにあります。コンピュータ制御されたその高度な機能は、前述した通常の内視鏡手術におけるさまざまな難点を克服し、繊細な剥離、縫合、結紮(けっさつ)を可能にします。
甲状腺がんの手術では、ダビンチ手術が最も患者さんにメリットがある方式といえますが、この手術が行なえるのは、ごく限られた施設だけです。
なお、通常の手術もロボット手術も、手術後、数日(3~5日)で退院ができます。

手術後・予後

甲状腺腫瘍が良性と診断された場合でも、時間の経過とともに悪性であるとわかってくるケースがあり、経過観察は必須です。特に、大きくなっていく場合は注意が必要です。
甲状腺がんを手術したあと、再発したり、遠隔転移が判明したりした場合は、放射線ヨウ素内用療法を行なうことがあります。

まとめ

甲状腺腫瘍の大部分は良性です。悪性(がん)の場合でも、多くを占める高分化がんは、悪性度が低く、根治が期待できます。ただし、一部は悪性化する可能性もあり、手術の可否・時期などは医師とよく相談してください。
手術を行なう場合は、患者さんの体の負担が軽く、傷跡の目立たない、手術ロボット・ダビンチ支援下の内視鏡下手術をお勧めします。

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心臓血管外科・循環器内科を中心とした高度専門治療を行う「ニューハート・ワタナベ国際病院」では、
身体に優しい小切開手術や手術支援ロボット、ダビンチを用いた超精密鍵穴(キーホール)心臓手術などを提供しています。
診察から手術を通して痛みや負担から患者さんを解放することを目標にし、日々工夫しています。

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