副甲状腺腫瘍とは
副甲状腺腫瘍とは、副甲状腺の中に癌細胞ができる稀な病気です。
癌細胞から84個のアミノ酸からなるペプチドホルモン(PTH)が過剰に分必されるため、副甲状腺機能亢進症と似たような症状が表れます。
ペプチドホルモンは他のホルモン同様に欠かせないホルモンではありますが、多すぎると体に害を与えるため、過剰な分泌には注意しなければなりません。
副甲状腺機能亢進症に合併して発見されることが多く、悪性はまれです。
ここでは、副甲状腺腫瘍について症状・原因・治療方法について簡単にご紹介しております。
症状・原因
副甲状腺の癌細胞からペプチドホルモンが過剰に分泌されるため、副甲状腺機能亢進症と同様の症状が表れます。
副甲状腺腫瘍では次のような症状が表れます。
- 筋力の低下
- 吐き気や嘔吐
- 食欲不振
- 体重減少
- のどの渇き
- 排尿の回数の増加
- 便秘
- 首の腫れ
- 首のしこりの発生
癌が腫れて体積を増すことや副甲状腺機能亢進症によって引き起こされる高カルシウム血症が原因です。
上記のような症状が出た際は病院での検査をおすすめいたします。
検査
採血検査、超音波検査(エコー)、細胞診(エコー下穿刺吸引細胞診 )、CT検査、MRI検査、PET。
副甲状腺腫瘍の検査では、上記の方法で検査いたします。副甲状腺腫瘍の発見には、まずは頸部(首)と血液を調べ、血液検査によってペプチドホルモン(PTH)が過剰に分泌されていることが分かれば、原因となる副甲状腺の特定のために画像検査をいたします。
副甲状腺腫瘍の検査では、細胞診やCT検査、MRI検査、PETなどを用いて癌細胞を見つけます。
治療(手術)法・入院期間・術後
癌だと診断されましたら、全摘出を行います。治療方法や入院期間、術後については次の通りです。
超音波ガイド下エタノール注入療法、内科的治療、手術による副甲状腺病変の摘出。
- 通常は頚部横切開(数cm〜10cm)
- ロボット手術(腋窩アプローチ)
- 内視鏡手術(前胸部アプローチ)
- 手術後数日(3-5日)で退院 (通常手術、ロボット手術共に)
予防・食事
特になし。
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