副甲状腺機能亢進症とは
副甲状腺そのものの異常によって、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている病気です。
そこで副甲状腺そのものに原因がある人を「原発性」副甲状腺機能亢進症、その他を「二次性(続発性)」副甲状腺機能亢進症と区別しています。
副甲状腺機能亢進症を発症する患者さんは比較的に少なく、数千人に1人の割合で発見される病気だと言われております。
発症する男女比の割合では女性の方が多い傾向にあります。
ここでは、副甲状腺機能亢進症の原因・症状や検査方法、治療方法について解説いたします。
症状・原因
典型的な症状は、次の通りです。
(1)骨病変(骨がもろくなって骨折しやすくなり、ひどいときは身長が縮んだりする)
(2)尿路結石(腎結石、尿管結石)
(3)高カルシウム血症(のどが乾く、胸焼け、吐き気、食欲低下、便秘などの消化器症状、精神的にイライラする、疲れやすい、筋力低下など)
また、副甲状腺機能亢進症の原因は次の2つだと言われております。
原発性副甲状腺機能亢進症:
副甲状腺にできた腺腫やがん等の腫瘍や過形成などが、副甲状腺ホルモンを過剰に分泌し、血液中のカルシウム濃度を必要以上に高くなる病態。
二次性(続発性)副甲状腺機能亢進症:
副甲状腺そのものではなく、くる病やビタミンD欠乏症、慢性腎不全などが原因で副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、血液中のカルシウム濃度が必要以上に高くなる病態。
検査
採血検査、超音波検査(エコー)、細胞診(エコー下穿刺吸引細胞診 )、CT検査、シンチグラフィー。
血液検査でカルシウム値と副甲状腺ホルモン値、リン値などを測ります。
続いて、原因となる副甲状腺腫瘍が見られるか超音波(エコー)検査やCT検査で確認します。
さらに続いて、シンチグラフィーで副甲状腺の位置診断、異所性副甲状腺の確認をいたします。
単腺の腫大副甲状腺腫瘍であることがほとんどですが、4つの副甲状腺が全部腫れている場合に関しては、遺伝子検査を実施する場合があります。
治療(手術)方法
超音波ガイド下エタノール注入療法、内科的治療、手術による副甲状腺病変の摘出。
・通常は頚部横切開(数cm〜10cm)
・ロボット手術(腋窩アプローチ)
・内視鏡手術(前胸部アプローチ)
・手術後数日(3-5日)で退院(通常手術、ロボット手術共に)
予防・食事
特になし。
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