身体への負担の少ない手術
手術支援ロボット・ダビンチ(da Vinci Surgical System)での手術は、患者さんに優しい手術です。
2018年4月からロボット弁形成術が、2024年6月からロボット弁置換術が保険適用となり、限度額認定証の使用が可能となりました。詳しくはこちらをご覧ください。
大きく切らない手術 負担を軽減した術式
目次
ニューハート・ワタナベ国際病院のロボット手術について
現在、世界中で外科手術は、低侵襲の(体に負担をかけない)手術法に変わる潮流にありますが、心臓外科も例外ではなく、メスを入れる範囲を狭めて傷を小さくし、痛みも出血も抑え、入院期間も短縮する方向へと進んでいます。従来の開胸手術から小切開手術へ、さらにはロボット手術(ロボット支援下内視鏡手術)へと、目を見張る発展をしてきました。
当院の総長・理事長である渡邊剛は金沢大学医学部教授時代の2005年から、開発間もないダビンチ(da Vinci Surgical System)を利用したこのロボット心臓手術に、日本におけるパイオニアとして取り組み、また翌2006年には、兼任教授として赴任していた東京医科大学にもダビンチを導入して、ロボット心臓手術の実績を積み重ねてきました。
2014年のニューハート・ワタナベ国際病院創設時からダビンチ手術室を備え、ワタナベ式超精密鍵穴(キーホール)心臓手術を確立するなど、スタッフと共に継続してさらなる技術の向上に努めてまいりました。
2018年4月からロボット弁形成術が、2024年6月からロボット弁置換術が保険適用となり、限度額認定証の仕様が可能となり、患者の皆さんにとって選択しやすい治療方法となりました。詳しくはこちらをご覧ください。
ロボット心臓手術は、高度な技術と豊富な実績を備えたチーム・ワタナベにぜひお任せください。
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ロボット心臓手術のメリット
手術支援ロボット“ダビンチ(da Vinci Surgical System)”を用いたロボット手術は、骨を切ることもなく数ヶ所の小さな穴だけですべての操作を行うため、術中の出血が少なく、術後の痛みも軽く、また美容的にも優れた手術です。
これまでの術式と比べ入院期間は大幅に短縮し、術後3日で退院が可能です。
また、手術中の体への負担も軽く、痛みも少ないため早期の社会復帰ができます。
患者さんの身体にも心にもやさしいダビンチでの手術
ダビンチでの手術は、一般の開胸手術に比べて身体的、精神的な負担が軽減される上、手術後の日常生活の面でもメリットがあります。
傷口(手術痕)が小さい
一般的な心臓手術は胸骨を切り開いて行いますが、ダビンチ手術は患者さんの皮膚を1~2cmの幅で数カ所切開し、そこから鉗子を挿入して行います。
傷口のイメージ
術中の出血が少ない
開放手術と比較すると極めて少ない出血量です。
正中切開が約500mlなのに対し、ダビンチ手術は50mlと1/10の量で済みます。
術後の痛みが少ない
小さな傷口を開くだけなので、術後の疼痛が軽減されます。
早期退院が可能
傷口が小さいため、術後の体力回復が早い傾向にあります。手術後3日で退院できるケースもあります。
心臓手術のよくある質問
手術支援ロボット「ダビンチ」の紹介
ダビンチ(da Vinci Surgical System)は、1990年代に米国で開発され、1999年よりIntuitive Surgical社から販売されています。
小さな創から内視鏡カメラとロボットアームを挿入し、医師が3Dモニターを通して術野を目で捉えながら、実際に鉗子を動かしている感覚で手術を行います。
手術支援ロボット「ダビンチ」の主な機能
高解像度 3D画像
3D内視鏡カメラにより、術野を鮮明な3D映像として表示します。
ズーム機能により患部を拡大視野でとらえることもできます。
インストゥルメント
人間の腕、手首、指先のような役割を担っており、先端にさまざまな鉗子を装着して使用します。医師の動きに連動し、組織をつまむ・切る・縫合するなどの動作を行います。
手振れ防止機能
鉗子やカメラを動かすコントローラには、手先の震えが伝わらないよう手ぶれを補正する機能があり、細い血管の縫合や神経の剥離などを正確に行うことができます。
モーションスケール機能
医師が動かす手の幅を縮小してインストゥルメントに伝える仕組みです。 たとえば対比を5:1に設定すれば、手を5cm動かすと鉗子は1cm動きます。
手術支援ロボット「ダビンチ」での手術から退院までの流れ
外来での診察から入院、手術、そして退院まで7日間
ダビンチでの手術は、一般の開胸手術に比べて身体的、精神的な負担が軽減される上、手術後の回復も早い傾向にあります。
手術を受ける場合の、入院から退院までの流れをご覧ください。
ダビンチでのロボット手術の様子(動画)
ダビンチでのロボット手術の様子を動画でご覧いただけます。
ご注意:実際の手術映像を掲載されていますので、気分の悪くなる可能性がある方はお気をつけください。
各疾患別手術について
対応可能な心臓疾患と他の術式との比較
手術支援ロボット・ダビンチ(da Vinci Surgical System)での手術は、患者さんに優しい手術です。
僧帽弁・三尖弁・大動脈弁などの弁膜症や心房中隔欠損症において、手術支援ロボット「ダビンチ」用いて傷を小さくする手術をしています。
この手術法を用いると、出血量や手術傷が小さいので術後の回復が早く、ほぼ3日で自宅に帰ることができ、早期の社会復帰が可能になります。
ロボット(ダビンチ)での手術が対応可能な疾患
僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症など(弁形成術)
僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術・三尖弁形成術は、手術支援ロボット「ダビンチ」用いて傷口の小さい手術をしています。
この手術法を用いると、手術傷が小さいので術後の回復が早く、ほぼ3日で自宅に帰ることも可能で、また、非常に正確な弁の形成ができますので、術後の弁の機能がとてもよく保たれています。
ロボットを用いた弁形成術は保険適用です。
大動脈弁膜症など(弁置換術)
大動脈弁閉鎖不全症・大動脈弁狭窄症に対する弁置換術は、手術支援ロボット「ダビンチ」用いて傷口の小さい手術をしています。
この手術法を用いると、手術傷が小さいので術後の回復が早く、早期社会復帰が可能となります。
ロボットを用いた弁置換術は保険適用です。
狭心症・心筋梗塞
狭心症・心筋梗塞への手術に対しては、内視鏡下を用いた小切開心拍動下冠動脈バイパス術(MIDCAB)」という手術を実施しています。
手術での傷も小さな穴のみの身体に優しく正確な手術になります。
心房中隔欠損症
成人の心房中隔欠損症の手術に対して、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を駆使し、数個の小さな穴を開けて内視鏡だけで手術を行う低侵襲手術を実施しています。
甲状腺がん
2009年から甲状腺に対するロボット手術を行っています。
首に傷が全く残らない、整容性に優れた手術が可能です。
甲状腺がんについては「甲状腺がんとは?症状・原因・治療(手術)方法」で詳しく解説しております。合わせてご覧ください。
他の手術方法との比較
患者さんの身体に優しい度合
ロボット(ダビンチ)手術 > MICS~小切開手術 > …… > 従来の小切開手術 > 正中切開手術
僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術の場合
傷の大きさ | 術後の痛み | 出血 | 入院期間 | コスト | |
---|---|---|---|---|---|
正中切開 | 25cm | x 痛い |
500cc | 14日 | ◎ 保険適応 |
MICS | 8cm | x 痛い |
200cc | 10日 | ◎ 保険適応 |
ロボット(ダビンチ) | 1.0~1.5cm (3カ所) |
◎ ほとんど無い |
60cc | 5日 | ◎ 保険適応 |
お問い合わせ
手術支援ロボット「ダヴィンチ」による治療に関心のある方は方はこちらからお問い合わせくださいませ。
ニューハート・ワタナベ国際病院
TEL:03-3311-1119
FAX:03-3311-3119