肺がんCT検診の目的
わが国での死亡原因の第1位は悪性腫瘍で, その中でも「肺がん」はここ数年第1位の座におります。肺がんの予防には禁煙も大切ですが, CTスキャンによる検診などで早期に肺癌を見つけることが重要です。
肺がんは死亡率が高く恐ろしいがんですが、肺がんが発見されても切除可能であれば、手術により約70%の方が治る時代となっています。胸腔鏡を用いた創の小さい低侵襲手術によって入院期間も短く、早期の社会復帰も可能です。
低線量肺がんCT検診の目的は切除可能な肺がんを早期に発見することです。
撮影の方法
検査前の飲食、内服薬の制限や前処置はありません。上半身に金具がついていない服装で、撮影台に仰向けに寝ます。両手を上にあげていただきますので、不都合のある方は申し出てください。
撮影中は2回前後少し長めの深呼吸による息止め(5-15秒程度)をしていただきます。
検査は5~10分ほどで終わります。
CT検診を受けると肺が死亡率が減るのか?
米国の55歳~74歳の喫煙者を対象とした研究ではでCT検診により胸部X線検診に比べて肺がん死亡率が約20%減少したとの報告はありますが、非喫煙者での死亡率減少の効果は今のところわかっていません。
検診のCTは一般のCTと同じなのか違うのか?
画像は一般のCTより少し悪くなりますが肺がんを指摘することには問題はなく、被ばく線量は一般のCTよりはかなり少なくしています(胃のバリウム検査とほぼ同じ程度です)。
CT検診のメリット
普通のエックス線検査では見つけにくい、小さな肺がんを見つけることができます。
CT検診のデメリット
被ばく線量は少なくしているといっても、検査自体に発がんのリスクがないとはいえません。ごく小さなかげが見つかった場合に、無用な精密検査を受ける場合やCTの経過観察を勧められる場合があります。
進行のきわめて遅いがんもあり、早期に見つけてもあまり意味がない場合があります。また、 がんのなかには急速に発育するものがあるので、検診を受けても予防できないがんもあります。
また、CT検診でも見つけにくい肺がんもあります(喫煙者ではたんの検査が必要)。
当院での特徴
検診結果にて治療の必要がある場合、当院の呼吸器外科をすみやかに受けていただくことができます。手術適応症例では結果判明ののち概ね2週間以内で患者さんの手術を施行することが可能です。
手術では、患者さんに負担の少ない胸腔鏡を使った低侵襲手術を施行しております。
受診を希望される方
診療時間内に直接ご来院いただくか、電話でご予約ください。
呼吸器外科外来診察日は、原則として検査当日に呼吸器外科専門医が説明いたします。
それ以外の場合は、10日以内に検査結果の郵送、または後日外来での説明となります。
【予約受付電話】
TEL: 03-3311-1119
【診療受付時間】
月~土曜日(土曜日は午前のみ)
午前10:00~13:00(受付 12:45まで)
午後15:00~18:00(受付 17:45まで)
【検診費用】
12,000円(税別)