歯科治療や他科受診時の注意
弁膜症患者さんの感染性心内膜炎予防について
弁膜症と診断を受けた場合には感染性心内膜炎予防が必要となり、口腔衛生の徹底と歯科治療前の抗菌薬投与が重要です。特に人工弁置換術を受けた方は、歯科治療時に感染性心内膜炎のリスクが高まるため、事前に必ず医師に相談し、必要に応じて抗菌薬を投与する必要があります。
具体的な予防策
口腔衛生の徹底
毎日丁寧に歯磨きを行い、定期的に歯科検診を受けることで、口腔内の細菌を減らし、血流への侵入を防ぎます。
歯科治療前の抗菌薬投与
心臓弁膜症の手術歴がある場合や人工弁を挿入している場合は、歯科治療前に抗菌薬を投与することで、感染リスクを低減できます。歯科治療は手術後患者さんの場合、術後3か月以降に行いましょう。
【標準的な処方内容】
・アモキシシリン 2g 経口投与
*ペニシリンアレルギーの場合:クリンダマイシン600㎎ 経口投与
【下顎埋伏智歯抜歯術、歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)等】の場合は、術後48時間まで抗生剤投与が必要。
その他の感染源への注意
皮膚や消化器、呼吸器など、他の感染源からの感染も心内膜炎を引き起こす可能性があるため、体調の変化に注意し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
予防が必要とされる菌血症が起こりやすい歯科処置の例
- 歯肉または歯根膜を切開・操作する処置
- 抜歯
- 歯周外科処置
- スケーリング(歯石除去)
- ルートプレーニング(歯周病治療で行う歯根面の清掃処置)
- 根管治療(特に根尖部への操作)
- インプラント埋入手術
- 歯周ポケット測定や歯肉切除
- 口腔粘膜の切開・縫合
感染性心内膜炎の症状
- 発熱、悪寒、震え
- 疲労感、倦怠感
- 心雑音の変化
- 心不全症状(息切れ、むくみ等)
- 脳梗塞や消化管出血などの合併症
予防投与が不要な歯科処置
- 局所麻酔の投与(非感染部位)
- X線撮影
- 義歯調整
- 矯正装置の装着・調整
- 唇や口腔粘膜の軽微な外傷処置
感染性心内膜炎が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診する事が重要です。