【お知らせ】小切開(MICS)による上行大動脈置換術を成功 – 胸骨正中切開をしない、小さい傷口(8㎝程度)の低侵襲な胸部大動脈手術-

 ニューハート・ワタナベ国際病院(東京都杉並区、総長:渡邊剛)の小圷徹医師らのチームは、2026年4月24日に上行大動脈瘤と診断された70代の女性患者に対して、右小切開による上行大動脈人工血管置換術(Minimally Invasive Cardiac Surgery, Ascending Aortic Replacement)を初めて実施し、成功しました。傷口は僅か8cmで、従来のような胸の真ん中を20cmほど縦に切開する胸骨正中切開と比べて傷口が小さく、身体への負担が少ないのが特徴です。当院では同年3月にも大動脈弁輪拡張症および大動脈弁閉鎖不全症の60代の男性患者に対して、右小切開による大動脈基部置換術(MICS-Bentall)を実施し、成功しています。今後も積極的に胸部大動脈疾患に対する低侵襲手術を実施していく方針です。

MICS上行大動脈人工血管置換術の傷口イメージ

1. 胸部大動脈瘤とは

胸部大動脈瘤は心臓から出る太い血管が4.5~5cm以上に拡大する血管疾患です。大動脈瘤ができる主な原因は動脈硬化です。自覚症状がないまま大きくなり、職場の検診などで偶然発見されることがよくあります。大動脈瘤は自然に小さくなることはなく、破裂すると死に至る危険性があるため積極的な外科治療が必要となります。

詳しくはこちら→ 大動脈瘤について|ニューハート・ワタナベ国際病院

 

2. 人工血管置換術とは

 人工血管置換術とは、拡大した大動脈(大動脈瘤)を人工血管に置き換える手術です。通常は胸の真ん中にある、かまぼこ板程度の胸骨を20cmほど縦に切開する胸骨正中切開で行いますが、いますが、術後の痛みや胸骨の感染、胸骨が癒合するまでの運動制限(約2-3か月)などが早期社会復帰に対する課題となっていました。

今回、当院では身体への負担軽減と早期社会復帰を目的に、右小切開による上行大動脈人工血管置換術を行いました。小切開であっても胸骨正中切開をした際と同様に選択的脳灌流法を用いて確実に脳への循環を維持し、また体温も32℃の軽度低体温で迅速に手術を行うことで、体温を下げ過ぎることによる合併症を軽減しています。

本手術を受けられた患者さんの術後経過も非常に良好で、術翌日には歩行訓練を開始し、術後13日目には独歩退院されています。

詳しくはこちら→ 人工血管置換術について|ニューハート・ワタナベ国際病院

             
使用した人工血管(Jgraft 28mm)

3. ニューハート・ワタナベ国際病院の特長

ニューハート・ワタナベ国際病院は圧倒的なロボット心臓手術の手術件数を誇り、数多くの心臓・血管疾患の患者さんに対して積極的に低侵襲手術を行っています。病気で苦しむ患者さんを一人でも多く救うため、常に最先端かつ最高峰の技術を追及し、”安全で身体に負担をかけない”を信条に日々診療を行っています。

当院総長の渡邊剛医師は「まだロボット手術が適応されていない疾患に対しても小切開手術で傷口を小さくし、身体への負担の少ない安全な治療を届けたい」と話しています。主治医の小圷徹医師は「上行大動脈瘤があるために小切開では手術できないと言われてきた多くの患者さんに対して当院の技術を駆使して安全な治療を提供したい」と話しています。

【心臓血管外科医 渡邊 剛

ニューハート・ワタナベ国際病院総長。金沢大学医学部卒業後、ドイツ・ハノーファー医科大学心臓血管外科に留学し、32歳で日本人最年少心臓移植執刀医として活躍。帰国後、日本で初めて心拍動下冠動脈バイパス手術や心臓アウェイク手術に成功。手術支援ロボット「ダビンチ」を用いたキーホール心臓手術を日本で唯一実施しており、ロボット心臓手術の執刀数は、2019年から6年連続世界最多。

渡邊剛公式サイト:https://doctorblackjack.net

【心臓血管外科医 小圷 徹

ニューハート・ワタナベ国際病院心臓血管外科。2016年金沢医科大学医学部卒業。心臓血管外科専門医。低侵襲心臓手術認定医。Robo-Doc Pilot(国内A級)。

 

ニューハート・ワタナベ国際病院の概要はこちら→ 病院概要|ニューハート・ワタナベ国際病院

 

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