ニューハート・ワタナベ国際病院の富田重之医師と小圷徹医師のチームは、2026年3月25日にバルサルバ洞動脈瘤および大動脈弁閉鎖不全症と診断された60代の男性患者に対して、右小切開による大動脈基部置換術(MICS-Bentall手術)を初めて実施し、成功しました。傷口は9.5cm程で従来の胸骨正中切開(約20㎝)と比べて傷口が小さく、身体への負担が少ないのが特徴です。今後も積極的に胸部大動脈疾患に対する低侵襲手術を実施していく方針です。
MICS-Bentall術の傷口イメージ1. バルサルバ洞動脈瘤(SVA)とは
バルサルバ洞動脈瘤(SVA)は、大動脈の基部にある「バルサルバ洞」という部位の壁が薄くなり、心臓内にコブ状に膨らむ稀な心臓疾患です。めずらしい心臓疾患ですが、診断されてから適切な外科治療などを行えば治る病気です。瘤が破裂するまでは無症状のことが多いです。原因のほとんどが生まれつきといわれており、大人になってから手術が必要となる場合もあります。血管の病気、動脈硬化、感染が原因のこともあります。
詳しくはこちら→ 大動脈瘤について|ニューハート・ワタナベ国際病院
2.大動脈弁閉鎖不全症とは
大動脈弁閉鎖不全症とは、心臓の弁のひとつが正常に働かなくなって、心臓で血液が逆流する病気です。心臓に負担をかけ、全身に充分な血液が送り出せなくなるため、動悸や息切れなどが起こります。初期はほとんど自覚症状がなく、重症化してはじめて気づくことの多い厄介な病気です。大動脈弁閉鎖不全症の原因は、弁そのものの異常と、大動脈基部(大動脈弁から連続している、大動脈の入り口部分)拡大の異常の2つに分けられます。
大動脈弁閉鎖不全症|ニューハート・ワタナベ国際病院 公式サイト
3.Bentall(ベントール)手術とは
上行大動脈瘤のうち、心臓を出てからすぐの大動脈基底部近辺に瘤ができた症例を対象に行う手術で、心臓手術の中でも難しい症例です。瘤に引っ張られて大動脈弁輪拡張症と大動脈弁閉鎖不全症を併発していることが多く、その場合には病変部を全て切除してから、人工弁輪と人工弁(機械弁)がついた人工血管に置き換えます。さらに左右の冠動脈を人工血管に吻合する必要があります。これをBentall(ベントール)手術と言います。
大動脈弁そのものに大きな傷や石灰化などがなく健常に近い状態であれば、自己弁を温存するヤクー手術やデービット手術が行われます。これらは大動脈弁を必要に応じて形成し、人工弁輪と人工血管を置き換える手術です。
詳しくはこちら→ 人工血管置換術について|ニューハート・ワタナベ国際病院
3. ニューハート・ワタナベ国際病院の特長
ニューハート・ワタナベ国際病院は圧倒的なロボット心臓手術の手術件数を誇り、数多くの心臓・血管疾患の患者さんに対して積極的に低侵襲手術を行っています。病気で苦しむ患者さんを一人でも多く救うため、常に最先端かつ最高峰の技術を追及し、”安全で身体に負担をかけない”を信条に日々診療を行っています。
当院総長の渡邊剛医師は「まだロボット手術が適応されていない疾患に対しても小切開手術で傷口を小さくし、身体への負担の少ない安全な治療を届けたい」と話しています。主治医の小圷徹医師は「上行大動脈瘤があるために小切開では手術できないと言われてきた多くの患者さんに対して当院の技術を駆使して安全な治療を提供したい」と話しています。
【心臓血管外科医 富田 重之】
【心臓血管外科医 小圷 徹】
ニューハート・ワタナベ国際病院心臓血管外科。2016年金沢医科大学医学部卒業。心臓血管外科専門医。低侵襲心臓手術認定医。Robo-Doc Pilot(国内A級)。



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